EVENTインタビュー

歴史を彩るキーパーソンたち

天神コアのファッション・カルチャーを語る上で欠かせない、キーパーソンにインタビュー。
各時代における印象的な出来事をお届けします。

Q1 天神コアとのエピソードを教えてください

オープン当初からの攻めた広告戦略が印象に残っていますね。山口小夜子さんをモデルに起用したり、フォトグラファーの立木義浩さんやコピーライターの岩永嘉弘さん、デザイナーの松葉孝夫さんなど、そうそうたるメンバーが制作に携わっていました。ポスターに全裸モデルを起用した時には、地下鉄への掲出はだめだと言われました。

Q2 ここで手にした大切なものは

販売促進やリーシングなど多岐に渡る業務に携われたことです。東京・大阪のトレンドを福岡に持って来るというのが天神コアの1つのコンセプトでしたから、都内のファッションビルや大阪で人気の専門店をリサーチし、店舗スタッフの動きまでしっかりと分析した上でリーシングを行っていました。

Q3 天神コアと言えば何でしょう

その名の通り、九州の核となるファッションビルです。オープン当初は百貨店が対抗馬で、メインターゲットは“上品な山手のお嬢さん”。「SUZUYA」や「三愛」など最先端の店舗が入り、スタイリストやデザイナーがトレンドを研究しに訪れるほどでした。そのうち近隣にどんどんファッションビルができていきました。そこで、より差別化をはかるべく、百貨店のお客様が嫌いなものをあえて入れようと渋谷109を見本にギャルファッションにシフト。受け入れられるのには1年近くかかりました。渋谷に集まる子達というのは家が遠いから、制服をロッカーに入れてギャルファッションで街に繰り出せるけど、福岡では家が近いから、派手な服を着て家から出ると、近所の人に、〇〇さんところの娘さんは…なんて言われてしまう。そんな地域性もあって商品展開は少し刺激を抑えたものにしていましたが、徐々に商圏が広がっていき、ギャルファッションの立ち位置が確立されていきました。もし自分の娘が短いスカートでエスカレーターに乗っていたら絶対反対しますが(笑)、福岡の女性のファッションに影響を与えたのはギャルです。その中心が天神コアだったというのは大きなことでした。

Q4 天神コアのその先に期待すること

「岩田時計店」は先代の頃から仲良くしていますし、今日着けている眼鏡は「仲西眼鏡店」のものです。閉店してしまいましたが「キャロット」のオーナーさんにもお世話になりましたし、「木馬館」、「天賞堂」、「味の正福」など、長年続くものには理由があります。ファッションビルとはいえ、何でも新しいものばかりではだめだと私は思います。人を惹きつけてやまない魅力を持ち、30年、40年と続いていくような店舗をぜひ入れてほしいですね。